コラム第一弾は、院長・内田の来歴をを振り返ってみたいと思います。
欧米の精神医療から多くの刺激を受けました。アメリカでは、発達障害の勉強とともに、自殺未遂で入院となった思春期の精神医療に携わり、スイスではうつ病やADHDの治療薬の仕事に関わりました。そして、薬物療法、電気けいれん療法などの物理的治療法や集団精神療法、家族療法等の治療法だけでなく、保険制度、家族関係、文化と医療との関係などについていろいろと学びました。
帰国後従事した非行少年少女の精神医療では、アメリカで学んだ家族療法を実施し、企業立総合病院神経科では、勤労者のうつ病・不安症患者さんを対象とした集団認知行動療法を展開し、スタッフと奮闘しながら社会復帰への手助けを試みました。そのような先進的なプログラムを組んだ治療機関は当時では珍しく、それを経営上の問題により定着できなかったことには悔いが残ります。プログラムが浸透していたら、年間3万人以上の日本の自殺者の状況も変わっていたかもしれないなどと考えることもあります。
その後、大学生のメンタルヘルスの仕事に深く関わりました。ひきこもって不登校となり、留年、休学、退学となる大学生は少なくなく、自殺に至ることもあります。「大学における休・退学、留年学生調査(含自殺等死亡)」という全国調査責任者を長い間勤め、ひきこもりや自殺予防に関する様々な研究も行いました。
大学ではハラスメント対策の仕事にも携わり、セクシャルハラスメントのガイドライン作成から、相談員、対策委員、被害者の精神的サポートなどなんでもやりました。「刷り込まれて引き継がれるジェンダー」という面を強く感じ、嫌なことを嫌と言えるようになる土壌つくりがいかに大切かということも考えさせられました。また、アカデミックハラスメントを内部の構成員が扱うことの難しさも経験しました。
子育てをしながら精神医療に携わってきた女性医師として、ジェンダーについて思うことは山のようにあります。詳しくは、次のコラムでお話しします。
どんなに些細なことでも大丈夫です。まずは一度、お気軽にご相談ください。
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