前回の「来歴」からの続きです。
ジェンダーに関しては、相談を受ける側のジェンダーバイアスについて意識しないといけないと思っています。治療者が、どのようなジェンダー観をもっているかが治療に大きく影響します。性的指向も含めての偏見や差別がないか、常に意識する努力をしていても、マイクロアグレッションといわれるような、何気ない差別で相談者が苦しんでいる状況を、治療者は理解できていないかもしれません。日本精神神経学会代議員、およびアンチスティグマ委員、男女共同参画委員としてこの分野の理解と啓蒙の努力をしています。
今年6月に開催された日本精神神経学会総会では、「マイクロアグレッションの理解と克服―精神医療の向上と共生社会の実現のために」というシンポジウムを主催し、ハーバード大学精神科准教授内田舞医師の問題提起を受けて、フェミニズム研究者、心理学者LGBTQ当事者らと議論を交わしました。私は、「日常臨床でのマイクロアグレッションへの気づきと対応」のテーマで発表し、治療者として「患者に気にしすぎていると言うことを避ける」ことを提案しました。
どんなに些細なことでも大丈夫です。まずは一度、お気軽にご相談ください。
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